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「ふるさとだより」2006年6月

直線上に配置

ドイツから  ハインリッヒ シュヌーゼンベルグ


 ふるさとの家の関係者の皆様、お元気ですか。私も元気ですが、足だけが少し不自由なので歩行器で歩いています。

 ドイツに帰ってからもう早くも2年になりました。しかしいつも日本のことと皆様のことを想って、どうしているでしょうかと案じています。少しドイツの状況について書いてみたいと思います。

 ドイツの経済はもう長年不景気で、失業者は相変わらず500万人(11%)いてなかなか減りません。競争に勝つために大きな会社が職人を減らすので労働者は給料の安いところへ行くことになります。それによって上がるのは株だけです。今、ドイツに住んでいる外国人、特にトルコ人の問題が深刻です。外国人300万人の内200万人がトルコ人で、ところによってはゲットー化しています。生活もまだ封建的なイスラム教の影響で女性の平等、宗教の自由などでドイツ社会に編入(インデグレーション)することが難しいのです。失業者が多く、若い人も就職率が低く、失業保険をもらいますが期限があります。職のない人は皆、生活保護を受けていますが金額が少なく、特に光熱費の上昇で生活できない場合があります。そういう人とお年寄りのために、大きい町で炊き出しをやって食事を出しています。あるいは小さな町でもスーパーや食料品店から物を集めて、必要としている人々に配るとか、店でただで、或いは非常に安い値段で売っています。ドイツには飲み物の自動販売機はなく、缶ジュースや缶ビールはありませんのでアルミ缶を集めて生活する人もありません。住居がない人はどこの町にもいますが、その人たちのために大体の所に泊まるところ、あるいはシャワーして体を温めて、食事ができるところがあります。こういうところは教会関係が多いのです。私たちフランシスコ会は首都ベルリンで大きな炊き出しをやっています。全部寄付でまかなっています。

 釜ヶ崎ふるさとの家も多くの方の寛大な寄付で運営できますので、心から感謝しています。ドイツと同じように寄付をしてくださる方が減っていますが、これからもできるところをよろしくお願いいたします。 (ドイツにて)