ふるさとの家から
ルカ
談話室より
マーコ
反失連から
本田哲郎
相談室
トリヤマ
「健康相談室」より
梅田道子
2階・ともの広場
つつみ としひろ
事務室より
ふるさとの家で必要なもの
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「ふるさとだより」2005年6月

直線上に配置

2階・ともの広場       つつみ としひろ


この街と周辺には2000人に及ぶ労働者が、野宿を余儀なくされ、毎年冬の時期を中心に、路上などで死を迎える人が大阪市内で200名以上、その大半の終焉地はここ「釜ヶ崎」と周辺地域であると言われています。この状況に対してキリスト教協友会などは、越冬期に当たって、「一人の死者も出さずに生きて春を迎えよう」をスローガンに掲げ、夜まわりの強化をしています。平均年齢は55歳以上と高齢化は進みつつありますが、それでも仕事さえあればと多くの人は働く意欲を持っておられます。しかし世の中はこの不景気、40代でもおいそれと職は見つかりません。

ともの広場に、よく出入りしている40代半ばのAさんは、人材派遣会社と契約して電話で時折、就職の連絡を受ける手段として、やっと8000円を工面してケイタイを購入したのです。ところが、彼の持っている「プリケ―」は悪用されることが多くなったという理由で、持ち主の現住所登録を義務づけるようになったのです。野宿者の彼にとって、使用出来なくなると困ってしまいます。

2階には、元の聖堂・ともの広場そして廊下に併せて125席があります。冬場は満席で、TVを見る、雑談をする、読書をする、野宿をしていると不安で寝付かれないのか熟睡状態の人もいます。年齢制限をしていない2階に、最近毎日のように20歳前後の人が来ていますが、気掛かりな 存在です。

1週間おきの土曜日のふるさとの休みの日を、確認するため尋ねられることがよくあります。1階にあるガス調理台が労働者にとって無くてはならない存在なのです。店でカップ麺を買えばポットの湯を貰えますが、ラーメンを炊ける場はここしかありません。カップ麺は安くても100円以上しますが、チキンラーメンなら一袋40円、これを炊き込むと水分を含んで量が増え、刻んだ寄贈の野菜を加えると1食分が出来上がります。

又御寄贈下さった衣類の一部は、収入源にもなるので「ふるさと」前でバザーをし、廉価で売っているのですが、衣替えの季節に入り、なけなしの金をはたいて買う夏物を一点選ぶにも労働者たちは真剣です。

ともの広場での散髪
(写真;ともの広場での散髪)