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「ふるさとだより」2005年6月

直線上に配置

「健康相談室」より     梅田道子


 「健康相談」をふるさとの家で開始して2年半になります。健康問題を中心に、血圧測定、脈拍、本人の訴える体の部分を看て記録します。熱があり、風邪では?と思われ緊急性は無いが、しかし今夜このまま野宿ではさらに悪化すると思われる時は、市更相又は三徳寮に宿泊を依頼します。緊急を要する時は救急搬送の依頼をし、血圧が高い、だるい、異常に疲れるなど慢性疾患が考えられる場合は、病院への受診を進めています。全体的に血圧の高い方が多く、最高血圧が230で最低血圧は120であっても「どうもない、病院には行きたくない」と言われます。「放っておいたら、ああなるよ、こうなるよ」と強迫めいた言葉でささやき続け受診して貰います。その時は簡単なメモ程度に症状をまとめ、病院に持参して貰います。現実には明らかに健康上問題がある場合でも「ええねん、大丈夫や」と受診して貰えずささやきが効をなさない事も多いです。

  高血圧などは特に食事内容の習慣が大きな要因になるので、私も最初は通り一遍に「ラーメンの汁は飲まないように」とか「だしは半分に」と説明していたところ、ある方が「梅田さん、このラーメン食べてみー、汁も飲んでみー」と持ってこられました。その味は非常にまずく、せっかくの一食をおいしくいただいたほうが良いと思い、以後は味付けの意見はしないことにしました。又「一杯の飯と酒、選ぶとしたら酒だ、飯はすぐ空腹になるが酒はあったかくなるし・・・」と続きの言葉を濁し照れ笑いされた方がいました。医療者は塩分であるとか酒は飲まない方が良いとか言いますが、ラーメンにせよ、お酒にせよ、確かに食事の内容よりもまず今の空腹をどうするかが問題であって、健康状態のことまで思い及ばないのが現状でしょう。それにたとえ「しんどく」ても医療にかかるまでの手続き上で生じる問題(役所で必要以上に根掘り葉掘り聞かれる事など)の方がさらに「しんどい」状況になるかもしれません。

 「血圧が230のあの方大丈夫かしら?」と独り言をつぶやきながら、いろいろな思いの中月2回の健康相談を続けさせてもらっています。