ふるさとの家から
Fr.ハインリッヒ・吉岡政子(マーコ)
談話室
マーコ
談話室の片隅で(温熱療法)
シンタニ
1年間ボランティア
永野 努
相談室
マエダ
2階・ともの広場
堤年弘
新しいボランティア
お世話になったスタッフ・ボランティア
事務室より
ふるさとの家で必要なもの
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「ふるさとだより」2004年6月

直線上に配置

談話室     マーコ


今年も釜ヶ崎では「特掃」(55歳以上、輪番制で1年間)の切り替えと新規申込が3月〜4月にありました。今までの特掃登縁者の中には居宅保護を受けたり、入院、入寮、出張仕事、亡くなった方もいたりと輪番から抜ける人もいますが、昨年度より200人近く登録者が増えました。3月の年度末には月4〜5回行けた仕事も、4月の新年度は月2〜3回になります。談話室の利用者も登録している人がたくさんいて『なかなか当たらんわー(自分の番が回ってこない)」と口では言うものの、人数が増えたことに愚痴ることなく次の仕事に当たるのを楽しみにしています。
最近、週末はふるさとの家に支援団体からパンや野菜の差し入れがあります。パンは配り、野菜は「自炊室」(自分でラーメンを買ってきて炊く)に切って置くようにしています。野菜が大量にあるときはサラダなどにして談話室に置きます。食べることをほとんどを炊き出しに頼っている利用者も多く、喜ばれます。しかし、新しい利用者には物を配る施設と思われたり、いつも来る人にも「今目は何もないんか?」と聞かれたりします。
物を出す(渡す)事は大変難しい仕事です。利用者みんなにあたるようになどの気遣いもありますが、それよりも本来なら誰もが「もらう」のではなく「自分で買う」ことができるように仕事が欲しいと願っています。そのことに共に寄り添いたいと思います。しかし、野宿者を取り巻く現状が良くならない以上、支援のカンパ物資を募り、利用者に出す(渡す)ことになります。「あげる」「もらう」の関係になってしまい、「支援者と利用者の橋渡し役でしかない」ということを時には忘れそうになります。どうしても相手の喜ぶ顔を見ると自分がいいことをしたような錯覚に陥り、応じられない時に困ってしまいます。もっと私達がそのことを自覚しながらやっていかなければならないと思っています。