ふるさとの家から
Fr.ハインリッヒ
談話室
マーコ
相談室
マエダ
2階・ともの広場
堤年弘
反失連は野営闘争中!
本田哲郎

ボランティア 川口 ボランティア 青木 ケアステーション 事務室より
藤井
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「ふるさとだより」2003年12月

直線上に配置

長期ボランティア       青木


僕が釜ケ崎で活動を始めて、半年が過ぎ、厳しい冬を迎えています。
1ケ月近く前のことです。それまでは話をしたことはありませんが、いつもふるさとの家の1階の廊下の椅子に座り目が会うと微笑んでくれるSさんが談話室にお蒸をくみに来た時、ポツリ"しんどいわ"とこぼしました。目を合わせたままその時は何も口に出せませんでした。Sさんにとって何がいいのかわからず"病院に行ってください。"と一言で無責任に終わってしまっていいのかと、頭の中の整理がつかずゴチヤゴチヤになっていました。
となりから「熱があるかもしれないから体温計で計ってみて。しんどいなら救念車を呼ぶから」というスタッフの声掛けに我に返りました。なぜすぐ純枠にSさんの体のことを心配しきれずにいたんでしよう。一番大事なことなのに。ただそれだけでよかったのに。Sさんは病院に運ばれ、診断の結果、肝炎だったそうです。面会に行くと野宿という厳しい状況の中で、半月も前から痛みがあり、ガマンをしてきたそうです。「迷惑はかけられないと思ったからずっと言わなかったんだ。」と。けれど痛みについに耐えられなくなり、思わず口に出してしまったのでしよう。毎日見ていた顔が苦痛に耐えているものとは思いもしませんでした。
"その時"は二度ときません。だからその時の重みを理解して、これからもオヤジさん達と関わりを深めていきたいと思います。そして、一言でも口に出しやすいと感じてもらえることは大きな意味を持っていると思います。そう心がけて残り4ケ月をやっていきたいです。