「ふるさとだより」2002年11月

直線上に配置

「ふるさとの家から」 Fr.ハインリッヒ
「談話室1」
「談話室2」
「2階・ともの広場」 堤 年弘
「1年間ボランティア」 小澤 尚史
「缶のつながり」 豊島治
「相談室」 マエダ
「ケアステーションふるさと」 浜口 功雄
「ケアステーションふるさと」 堀部 敬子
「反失連は野営闘争中」 本田 哲郎
「事務室より」
「ふるさとの家で必要なもの」

「1年間ボランティア(JYVA日本青年奉仕協会 )」     小澤 尚史

 「何にもできないから、あそこでオッチヤン達と一緒に生きていくことから始めるしかないです。」
 1年聞ボランティアとしてふるさとの家に派遣される前、「あなたに何ができるか」と間われ、私は確かこんな事をいったと思う。
 ここで活動して数ケ月になり利用者の方々とも親しくさせて頂いている。時にくだらない冗談を言ってきて、調子に乗って私も言い返したりするが、そんな時のオッチヤン達の笑顔は屈託なく、まるで無邪気な子供のようだ。
 しかし、ふるさとの家が閉まり、夜も深い時間、近くの商店街や新世界などで見かける彼らの表情は、昼問のそれとは異なる。厳しい視線を投げかける人、周りを誘るような表情を見せる人もいれぱ、一方で悠然としながらも、時におびえたような顔をする人もいる。私は彼らが昼間によく話をする;同じ人達なのに、なかなか目を合わせることすらできない。
 そして彼らはこのような表情で一目の大半を過ごすのだと改めて私は悟る。
 色々な冷たい風にさらされながら、長い間生き抜いてきた方々のめは、優しいときも、厳しいときも、一様に深い。
 生かされてきた私のような人間では彼らの人生を支えるには重過ぎる。しかし少しでも安らげる風景の一つになれたらと思っている。